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人ってすごい!
  本を読むとき、大切なのはタイミングだ。
 ヘルマン・ヘッセの「荒野のおおかみ」と木地雅映子の「氷の海のガレオン」の2冊の本は僕にとって最良(あるいは最悪)のタイミングで出会った本だ。
 この2冊の主人公の悩みには共通点が多くある。
 生活がぎこちないこと。分かり合いたい友人が欲しいが、自分の言葉が通じないこと。本の知識はあっても体験が乏しいこと。軽蔑しながらも半ば普通の生活に憧れていること。
 −これは今の僕の悩みでもある。
 3週間ほど仕事で石川県に行っていた。そこでブログで知り合った新谷さんと会った。ネットで知り合った人と会うのは初めての自分にとってこれはものすごくエネルギーを使うことだった。昨日本人にも直接伝えたことだし正直に書くけれど、新谷さんに対して当初あまりいい印象を抱いていなかった。
 それなのに会うことを選択してしまうのが自分の悪いところなのだ。それは、本を読んでいてわからない内容に抱く感情と同じで「自分の読み方が間違っていたに違いない」と、嫌になるのは自分でこそあれ本ではないのだ。そういう読み方をしていくとどうなるか?自分の感情への不信感が募り、自信がなくなる。好きとか嫌いとか、基本的な感情を見失う。内心嫌だと思う人でも平気な顔して会おうと言ってしまう。相手が感情を持った人間なのに。
 ただ、二人で散歩をしているときに新谷さんに言われた一言で僕の中で彼女の見方ががらっと変わった。人と喋って自分の言葉の半分も通じないなら喋らない方を選んでしまう自分だけれども、思わぬところで120%を得ることがあることを知った。これはすごい発見だった!
 夜の公園のベンチに腰掛けてからというもの、僕はもう一方的に喋っていた。我を忘れて喋るだなんてことがあるんだって、びっくりした。終バスが来るまでの時間が名残惜しくてしかたなかった。「生まれてきてくれてありがとう」だなんて恥ずかしい台詞を面と向かって言ってる自分が信じられなかった。
 タイミングが大切なのは本だけじゃなくて、人もきっとそうなんだ。新谷さんは僕にとって最良のタイミングで出会った人だ。楽しい時間をありがとう。


 思うところあって、僕は読書をやめる。読むとついつい焦るから。

魔法のコトバ/スピッツ

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