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世界のフラワーロード
評価:
100s,100s,中村一義,池田貴史
エイベックス・エンタテインメント
¥ 3,272
(2009-07-08)

 中村一義が100sでのバンド活動をすることになってから、プレイヤーに彼の音楽を入れることはあまりなくなってしまったのにもかかわらず、それでもしぶとくコンプリートしているのはなぜだろう。
 高校1年の頃に初めて中村一義の「ERA」を買ったのだ。それは衝撃的だった。いや、衝撃的、とは違う。突き動かすほどのものではなかった。感動、というほどノスタルジーでもない。うまく言い表せないけれども、それは魔法にかかったようだった。瞼をゆっくりとじて、またゆっくりと開けるとき、見ていた風景がほんの少し華やぐ。目を閉じなくても見ている風景と少し違う風景が想起される、そんなささやかで小さな魔法。僕はとり憑かれたように毎日毎日飽きもせず聴いていた。
 歌詞がいい、と言われるアーティストや、楽曲が取りざたされるアーティスト。中村一義はそのどちらのカテゴリにありながらも矛盾している気がしてならない。
 実際歌詞は聞き取りにくいし、「金字塔」や「太陽」のアルバムは宅録で音もこもっているし、演奏も拙いものが多い。だけど良いのだ。だから魔法なのか。
 100sになって一番変わったのはドラムの音だと思った。少しもたつく中村一義自身のドラムの音が消えてから、僕の中でなにかが褪せた。音の幅が拡がると、いよいよ聴く回数が減った。音楽は不思議だと思う。
 今回のアルバム「世界のフラワーロード」は、音の幅もドラムの音も100sでありながらも中村一義の色を彷彿とさせる一層不思議なアルバムだと思った。想起する風景が懐かしいのに、音が新しい。「魔法を信じ続けるかい?」はおもわず歌詞にニヤリとしてしまう。「そりゃそうだ」も「モノアイ」もシングルカットされていて、既に耳にしているのに良さが際立つ。名文が文脈に埋もれてなお光るのと同じように。
 アルバムを通して聞いた後、全肯定というよりも、オノ・ヨーコの「YES」のような、声もない頷くくらいの優しい肯定が迎え、包み込まれる。しばらくこの風景を堪能する日々が続きそうだ。


モノアイ/100s
| 音楽 | comments(2) | trackbacks(0) |
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私はずっと買い続けてるアーティストはいないや。

ラルクやアジカンも初めの頃が好きで、いろいろ手を出してきたなーって音になってから薄れた。


宅録、あの雰囲気すきだなー。

そこに空気を感じるってか、リアルに音が作り出されてるって感じが。
ノイズもまた味。
| ユカリン | 2009/07/10 9:17 PM |
ユカリン:あぁ、わかる!笑
いろいろ手を出してきてるのはあんまりいい方向に行く気がしないんだよね。
ずっと買い続けるというのもこれまた難しいんだ。
期待だけでかくてハズレることもままあるしねー。
| たじま | 2009/07/18 11:51 PM |









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