<< 目的を | main | 好奇心と勇気は似ているけど・・・ >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | - |
好奇心と勇気は似ている
 「大丈夫よ。学校に行きたくないから無理に足を引きずってるのよ。親の手前そういうフリしてるだけ。でもいつのまにかそれがクセになっちゃったの。誰も見てないときでも、ひとりっきりで部屋にいるときでも足の悪いふりをするようにしているの。私、完全主義者なの。他人をあざむくには、まず自分をあざむけっていうじゃない。ねえ、ネジマキドリさん、あなた勇気はあるほう?」
 「たいしてないと思う」と僕は言った。
 「好奇心はある?」
 「好奇心なら少しはある」
 「勇気と好奇心は似ているものじゃないの?」と笠原メイは言った。「勇気のあるところには好奇心があって、好奇心のあるところには勇気があるんじゃないかしら」
 「そうだね。たしかに似たところはあるかもしれないな」と僕は言った。「そして場合によっては、君が言うように好奇心と勇気とがひとつにかさなるということはあるかもしれない」
 「黙って他人の家に入ったりするような場合はね」
 「そのとおり」、僕は舌の上でレモンドロップを転がした。「黙って他人の家の庭に入ったりするようなときには、好奇心と勇気は一緒に行動しているように見える。ときによっては、好奇心は勇気を掘り起こして、かきたててもくれる。でも好奇心というものはほとんどの場合すぐに消えてしまうんだ。勇気のほうがずっと長い道のりを進まなくちゃならない。好奇心というのは信用できない調子のいい友達と同じだよ。君のことを焚きつけるだけ焚きつけて、適当なところですっと消えてしまうことだってある。そうなると、そのあと君はひとりで自分の勇気をかき集めてなんとかやっていかなくちゃならない」

-ねじまき鳥クロニクル(第1部)-

| ドッグイア | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | - | - |









http://dfne.jugem.jp/trackback/129