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やまざきひなた
  先月まで出張で石川県へと行っていた。出張中はホテルや民宿などに泊まることになり、その日は1日だけ予約がとれず、少し遠くの民宿に泊まることになった。
 フロントで鍵を受け取り、部屋へと向かう階段で、後ろをついてくる女の子がいた。気にせず部屋へと向かい鍵を開けて中に入る。女の子もするりと入ってきた。
 「…どうしたの?」
 「あ、この部屋布団が二つある。よかったね。二つ並べてごろごろーって寝られるね。暑くないよ」
 「そうだね・・・えー・・・名前は?」
 「やまざきひなた」
 「歳はいくつ?」
 「6歳」
 「小学生の、1年?」
 「今年入ったの」
 「そっかー」

 困った。会話が続かない。僕が泊まったのが「民宿やまざき」だから、この子はそのうちの子だろう。会話を無理に続ける必要もないか。どうせ自由な子どもなんだし、こちらも自由にやらせてもらおう。
 スーツケースから衣類を出してハンガーにかけたり、洗面道具や本を出した。

 「この本、みていい?」
 「いいよ」
 「この本、字、小さいやつ?あ、小さいやつだ。すごいね〜読めるの?」
 「読めるよ」
 「すごいなあ〜えらいなあ〜」

 お恥ずかしながらうれしかったのでした。
 階下から、ひなーと呼ぶ声が聞こえた。呼んでるよ、と言ってもリラックスしだしている。ほーらーよんでるよーって少し追い掛け回したらきゃはーって笑い、ドアをばたーんってやってどたどた降りていった。
 夕飯は近所のスーパーでお寿司を買ってたべた。民宿を出る前に、やまざきひなたが手を振っていた。僕も振りかえした。まだ日が出ていたからそう遅くない時間だったと思う。
| 日記 | comments(2) | trackbacks(0) |
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いいなぁそうゆうエピソード。
私も出張行きたいなぁー。
| いとう | 2011/07/15 6:38 PM |
いとうさん→6歳くらいならいとうさんでも仲良くなれるかもね。「お客さんはどこから来たの?」って聞かれた(『お客さん』って言うようにと教育されてるんだろうね)から「東京の上だよ」って答えた。いとうさんには石川県の説明を「日本の左上だよ」って答えたのをふいに思い出した。大丈夫、やまざきひなたはいとうさんのことをばかにしたりしない子だと思う。
| たじま | 2011/07/15 7:58 PM |









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