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読書メーター11月まとめ
2009.12.04 Friday
自分の寝ている姿というものは自分で確認できない。
鏡に映すわけにもいかない。どうも、自分は、口を開けて寝ているらしい。 なんという間抜けの極み!恥を知れ!しかるのち死ぬ! とは小学生の自分も思うべくもなく、なんとなく「それは格好悪いなぁ」と思い、ガムテープを口に貼り付けて寝たこともあったが、朝にはガムテープが丸まって枕元に転がっていた。外した記憶が少しもないのだから、よほど熟睡していたのだろう。熟睡したかったのだろう。睡眠に少しでも邪魔なものを蹴散らす我が無意識よ天晴れ!格好悪いがなんだ!と言うほどの気概もないので、どうにかならんものかねぇと思いながら幾星霜。 今も口を開けて寝ている。らしい。幸福な眠りは不幸な寝起きに駆逐される。特に今の時期、空気が乾燥しきっているため、喉が痛くてたまったものじゃない。 神龍への願い事は決まった。「口を閉じて、眠れるようになりたい!」 その願いは創造主の力を超えているとか言われたらどうしよう。切ない。 友だちの佐々木さんは、膝の間に布団を挟まないと寝付かれないのが恥ずかしいとか言っていた。かわいいと思った。 さて、読書メーター11月まとめ。先月読んだ本はこんな感じでした。 11月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:1974ページ 本を読む本 (講談社学術文庫) 真偽と美醜の二分法で本を端からバッサバッサと批判してきた自身の中身のない読書を痛感させられた。おそらくは能動的積極性に欠けていたのだ。モラルスティックな読者であったが、期待すること、恐縮して考えないことは、もうやめよう。難しい本が、今、読みたい。もちろん熟読で。 読了日:11月27日 著者:モーティマー・J. アドラー,C.V. ドーレン キス・キス (異色作家短編集) 装丁と、異色作家シリーズ文字と、短篇の魅力的な題名に惹かれて思わず手に取った。短い話の中にいろんな逆転が起こる。身を落ち着けるはずの宿で骨を埋めそうになる話、お宝発掘の旅に出た牧師がお宝を木っ端微塵にされる話、不実な妻の裏で大人しいフリをしていた夫の不実、などなど。ブラックユーモアのフレーバーを効かせた小品の数々。ひとつ「女主人」はずば抜けてよかった。 読了日:11月21日 著者:ロアルド・ダール 偉大なるデスリフ (村上春樹翻訳ライブラリー) 作家というものがどうあるべきか、をアルフレッドが語る場面『僕という人間は存在してはならない。僕というのは「我々」と同義語なのだ』は、自身の軸足をどっぷり時代につっこんだ魅力的とはいえないスタンスである。で、案の定というべきか、兄との会話で『「我々」とは誰のことなのか知りたかった』と言いながらヤクにはまる。つまるところ、デスリフの偉大さって何なんでしょう?憧れのスタイルをギャツビーの時代とバシッと決め、何から何までそれにしていったところなのだろうか?何にせよ、スタイルという問題は「お・か・ね」以上に根が深い 読了日:11月17日著者:C.D.B. ブライアン パディントンのクリスマス (世界傑作童話シリーズ―パディントンの本) 何かやらかすぞ、というのはいつものお決まりだけれども、パディントン自身も自分の行動にいい予感を感じないのだからどうしょうもないとはまさにこのこと。だけど、パディントンの何かしようという気持は、誰かの役に立ちたいという思いからきてるんだから、目くじら立てずに「まぁまぁ」で良し。「クマだし」 ガイフォークスという祭があるのを初めて知りました。 読了日:11月14日 著者:マイケル・ボンド,ペギー・フォートナム,松岡享子 無銭優雅 死の匂いが漂う恋愛小説の場面を要所に挿入し、本編のストーリーはゴーイング・マイウェイのバカップル。これがどう繋がるのかと思っていたら、死んだのは慈雨の父。「死の気配は恋を盛り上げる」と本編に出ていたのだが、恋しあっている主人公の父の死だ。そこで露見された主人公のどうしょうもない弱さを受け止める栄くん。この歳じゃなきゃできない恋愛というのが、あるんだな。歳をとるのもまんざらじゃないな、と思わせてくれるいい小説。僕もこんな風に歳を取りたい。それにはまず、好きな四文字熟語を作らなきゃ!笑 読了日:11月13日 著者:山田 詠美 砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書) 砂糖が人間の流通、貿易、食生活や医療の発展など多くの部分で関わっているということがよくわかる。ジュニア新書なので分かりやすく、大人でも楽しめる内容だと思う。主にイギリスにフォーカスした本でもあります。 読了日:11月06日 著者:川北 稔 鴨川ホルモー 一読するとスポーツ青春ものの爽やかさがあるのに、それに笑いや意外性を組み込むなら「ホルモー」という架空の競技じゃなきゃダメなのでしょう。バカなことに熱を上げて、熱中して、それが青春の成分のほとんどじゃないだろうか。そして鴨川ホルモーの面白さの囚われの人となった僕もまた、おもわぬ青春のおすそわけをいただきました。ホルモオオオオ! 読了日:11月04日 著者:万城目 学 読書メーター 先月、年間100冊読破をしたわけだけれども、100冊目は何がいいだろうと考えてみたけど思いつかなくて、「本を読む本」が100冊目になった。 読書技術に関する本。 思いがけずこの本に叱られてしまった気がして、これからは身を引き締めて本と付き合っていこうと、気持を改めるのにいい機会を得たと思う。自分の読書ペースがもうわかったので、これからは熟読をしたい。だから、うんと読書ペースは落ちる予定。 だからどうしたって? どうもしないのよ、奥さん。 In all the Wong Places/KERO ONE かっこいい!ありがとうー 読書メーター10月まとめ
2009.11.03 Tuesday
ずいぶん昔に、だいすきな女の子がいました。その子がどうやら僕に気があるらしいということを今更になって友だちづてに耳にし、「まさか」と半信半疑もいいところです。気にもとめていなかったら、その子から僕の携帯にたびたび連絡が入るようになり、一緒に遊ぼうという運びになりました。ま、まさか。
待ち合わせ場所のコーヒーショップに先についてしまったのだけれども、本を読んでいても落ち着きません。しきりにコーヒーを啜って待っていましたら、「ごめんね、たじまくん、待った?」と息を切らした彼女が隣に座って声をかけてきたではありませんか! まずい、彼女の顔を直視できない。なぜか顔がにニヤてしまう。おさえろ、おさえるんだ!と自分の頬あたりに叱咤激励を飛ばしていたら、ニヤケ顔のまま目が覚めました。夢だったのね。夢だったのか。 ニヤケ顔のまま起床ということがよくあります。面白い夢を見たら「やべえ、直木賞あざっす」だなんてニヤニヤしながら元気よく目を覚ましますが、唯一とったことのある夢の断片を記したメモには「屋上から半紙が降ってくる。半紙には血がべっとり」とだけあって、何がどうして直木賞なんだかさっぱりわかりません。どうしろってんだ、自分。 ということで読書メーター10月まとめです。 10月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3367ページ 夜は短し歩けよ乙女 ちょっと気になってラ・タ・タ・タムをAmazonで検索したら5000円以上するらしいですねこの絵本。本の内容は…うぅーん、世間の人気ほどいい作品とは思えなかったけどまぁまぁ面白かったです。なんだろう、ちょっとやりすぎなのかな?でも「ほれ!」「はやく買わんと!」には思わず笑いました。森見作品はしばらくいいや!あんまり引き出しが多くないかも? 読了日:10月29日 著者:森見 登美彦 地獄変 (集英社文庫) (集英社文庫) そういえば読んだことないな、芥川龍之介。ということで読んでみました。俗な田舎の方言、格調高い言葉、女言葉などなど、文体の使い分けがすごい。ロマン・ア・テーズの文学なんて今ではほとんど見ないけれども、2回は読んで少しは持論を持ってみたいもの。一読したところ『秋』『蜜柑』『トロッコ』が良かった。教科書に載っていたような羅生門や蜘蛛の糸はちょっとテーマが見えすぎて… 読了日:10月28日 著者:芥川 龍之介 くまのパディントン (世界傑作童話シリーズ―パディントンの本) ひたすらくまに萌えるお話。ペルーを決して略さない、『暗黒の地ペルー』というパディントン。ポンポンのついた毛糸の帽子を買ってもらって、人に挨拶するときにはポンポンをひっぱればいいというパディントン。ウッ!ときめいた! 読了日:10月25日 著者:マイケル・ボンド,ペギー・フォートナム,松岡 享子 新版 クラウド・コレクター (ちくま文庫) 先に姉妹版である「すぐそこの遠い場所」を読んでいたので、カラーの写真を思い浮かべながら読めた幸せ!大風呂敷を広げてうっちゃっておいても十分楽しめるというのに、謎解きやステキな画の数々に悶絶しそうになりました。しかもよぉく見るとなんと3色刷りの豪華!そりゃあ文庫でも950円します。でも、もちろんこれで安いと感じる内容なんだ。「おお・・・不吉じゃ不吉じゃ」「・・・見てください、」「いや、ホントの話」等の口癖もポイントです。 読了日:10月23日 著者:クラフト・エヴィング商會 有頂天家族 家族愛です。ただし狸の。舞台が京都ということもあり懐かしい地名の頻出に嬉しく思いました。やはり人間が主人公じゃないものが自分は好きだな。しかし森見さん作品はなんというか、いろんな物を無理矢理ぶち壊しますな。もうちょっと大人しくてもいいんじゃないでしょうか。 読了日:10月20日 著者:森見 登美彦 車輪の下 (新潮文庫) 周囲の期待に、その期待以上に応えることができた少年ハンスは村の誰もが将来を嘱望する天才少年だった。人は期待されたらそれに応えたいし、期待に応えられなくなっても名誉の恢復を試みるが、期待に応えられなくなった人間に一切の期待をかけない周囲の信頼をまた得るのは過酷だ。天才からの転落を経験したハンスは、村に帰り誰にも期待されず、腫れ物にでも触るように扱われる。少年老いやすく学成り難し。この言葉の逆をいくハンスには、老いるための十分な時間があてがわれなかったように思う 読了日:10月19日 著者:ヘッセ 新釈 走れメロス 他四篇 いちばん森見登美彦カラーがでている(桃色というわけではなくて)走れメロスは、いかにも詭弁論部らしい立ち回りに思わず声を上げて笑ってしまいました。それよりも、桜の森の満開の下の美しさ!桜の描写に始まり、桜の描写に終わるリフレインに思わず「!」。同じことを書いても物語の最初と最後で読み手の受け取り方ががらりと変わり、怖いほどの静謐さが漂う美しい終わり方でした。稀に見る効果的なリフレインだったと思います。坂口安吾、読も! 読了日:10月14日 著者:森見 登美彦 乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス) 安心して観客でいられる演劇のよさは、映画化したり小説化したりするときに多少の無理を生むと思う。やっぱりこの作品にもそういうところはあって、登場人物の気持ち悪さは否めない。振り切れている感じがいかにも本谷さんらしいといえばらしい 読了日:10月13日 著者:本谷有希子 ためらいもイエス (文春文庫) 二十八で初めて手にした思春期にとまどいつつも謳歌していく主人公。仕事はできて、お金もあって、地位も確立してきたけれど、恋愛を置いてきぼりにしたために親から見合いを持ちかけられる。趣味に、恋愛に、家族の問題に、遅まきながら思春期、反抗期を迎える奈津美。主人公の周りの人が優しく、時に厳しく彼女を鍛え上げてくれる。いい仲間ばかりだ!青ちゃんがいい。 読了日:10月12日 著者:山崎 マキコ 小さな男 * 静かな声 小さな男の歩幅の話、静かな声の息と消息、生きることの話、それぞれとてもよかった。小さな男も静さんも会わないのだけれども、ミヤトウさんを通して通じ、深夜のラジオで通じる。うぅーん、いかにも吉田さん。そこが好き。従業員通路は通りたくないです。なんなんだ、汗をかいたような壁って笑 怖いよ… 読了日:10月10日 著者:吉田 篤弘 空ばかり見ていた 床屋を巡る短編集?長篇?繋がり、というよりも連なりを持った作品が散らばっている。詩的な部分が拡がって沁みる。ホクトさんはいろんな時代のいろんな風景に紛れて、あらゆる人の話に登場したりする。「火の鳥」のよう。『美しさが、しばしば悲しみと共にあるのはなぜか。私はずいぶんそれを考えてきたが、またしても私は答えを出せそうにない。美しさはいつでも永遠であってほしいが、悲しみには終わりが必要になる』 いい! 読了日:10月06日 著者:吉田 篤弘 十字路のあるところ 吉田篤弘の文章は何かしら足りない、と思う部分があって、それを補完するかのように坂本さんの写真が寄り添う。写真と渾然一体となってやっと一冊の本になる。文章の迷宮、街の片隅の迷宮に見る小さな物語がちらばって、自分が見ている何気ない景色が華やぐささやかな感動。写真がモノクロなのもとてもいい。 読了日:10月01日 著者:吉田 篤弘,坂本 真典 読書メーター 10月は12冊らしいです。結構読んだのね。お恥ずかしながら車輪の下も芥川龍之介も読んだことがありませんでした。おほほ。 自分の好みとは別に、読んでおかなきゃならん本というものはそりゃああります。名作と言われる作品だけを読んでいったって一生じゃたりないかもしれないけれども、読書家の沽券というやつがこんな僕にもあるんです。読書家が集うと言うカフェー(奴らはカフェとは云わない)に道場破りのごとく単身乗り込んで 「え?車輪の下を読んだことない?!」 「は?罪と罰も?!」 「へ?不思議の国のアリスさえ?!」 冷笑・冷笑・冷笑・呆れきったため息・冷笑・呆れきったため息。 いかにも奥ゆかしい差別のツボを心得てらっしゃる。 かーえーれ!等のシュプレヒコールもない。 帰るしかないだろう。 うぅ、想像したら胃が痛くなってきたよう。 今月までで、今年は93冊。 おぉ、こりゃ100いくゾ。頑張るゾ。 打倒(想像上の)読書家コミュニティー! 僕は読書家コミュニティーの上座に重鎮の如くでんと構え、人一倍大きなため息をついてみたい。 はぁー。まずい、ニヤニヤしてきた。 あ、10月の1番は、「クラウド・コレクター」と「くまのパディントン」と「車輪の下」です。 すみません、最近とみに2〜3冊くらい1番を選出している気がします。 Bach Ze/High Llamas 文学的音楽! 読書メーター9月まとめ。
2009.10.02 Friday
気分を一新。テンプレートを変えてみた。同じノートタイプなのでそんなに違いを感じないけど罫線が気に入っていたりする。
とりあえず読書メーター9月まとめです。 9月の読書メーター 読んだ本の数:13冊 読んだページ数:2925ページ 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫) 澄香と待子の関係が良かった。澄香は自身の不幸を唯一無二の女優になるために必然性があったと思い込みたい節があり、待子は自分の不幸こそが幸せの総量を上げてくれるものであると信じている。それぞれの不幸をダシにして幸せを得ようとするところで同じ穴の狢なのだけれども、表出している性格は全く別物。澄香は自身まんまんだし、待子は始終おどおどしている。二人が不幸のどん底にある中で起こしたささやかな奇跡に扇風機がまわる。面白いなぁ本谷有希子作品。 読了日:09月28日 著者:本谷 有希子 すぐそこの遠い場所 『どうやら、「嘘」というものは、ほどほどがよろしく、あまりに徹底してしまうと、急激につまらなくなってしまうらしい。緻密な「嘘」を重ねると「本当」になる、などとよく言われるが、「嘘」を愉しもうという人には、「本当」なんて、そもそもどうでもよいのである。』この言葉に、クラフト・エヴィング商會ファンは大きく肯うだろう。相変わらず名づけが冴えてる。ツブラディ・ツブラダ、卓球詩人ピングとポング等の名前がいい。 読了日:09月27日 著者:クラフト・エヴィング商會 死の島〈下巻〉 (1971年) Tom'sBarさんのおすすめ。全体を通して暗い陰鬱な雰囲気がただよう。それは萌木素子の描いた「死の島」の色だろうか。死の島は「ヒロシマ」で、その色は鉄錆色。考え方の古さは否めないけれども、小説や平和の話、とくに原爆被害者は3種類いる、という萌木素子の語りにハッとした。真面目すぎるほど真正面にとらえた死と生、小説と芸術。なにより文体が素晴らしい。一子相伝なのか?この文体は。 読了日:09月25日 著者:福永 武彦 テーブルの上のファーブル 会話をしながらリアルタイムで本ができていく、そんな本のなかに本の作業工程を盛り込んで、ホラ話を繰り広げながらもそれを作ってしまう。凝り性のクラフト・エヴィング商會の真骨頂のような書誌にも美しい飾っておきたいような本。もちろん、読んでいいこと請け合いですが。先に「ないもの、あります」や「じつはわたくし、こういうものです」を読んでいたから「あれ?こっちが先?」と混乱しつつ、でも楽しみながら読めた。もうファンです、はい。 読了日:09月21日 著者:クラフト・エヴィング商會,坂本 真典 フィンガーボウルの話のつづき 不思議と話の細部で全てが繋がっている。この作者の「78」と似た形式。フィンガーボウルの話、というよりもビートルズの「ホワイトアルバム」で繋がっているような。穏やかな感じや、懐かしい気持ち、優しい不思議な話などなど、いろんな味が楽しめる。「閑人カフェ」と「ろくろく」がとくによかった。一編だけ取り出して読むのもいいかもしれないが、ホワイトアルバムのように曲の継ぎ目がわからないような、そんな雰囲気を味わいたいのなら一気に読むといいかもしれない。 読了日:09月17日 著者:吉田 篤弘 生きてるだけで、愛。 (新潮文庫) 自分のことがイヤでイヤでしょうがなくて、なのに自分とは別いれられない。一生この自分と付き合っていくと思うと辛さがこみ上げてくる躁鬱病の寧子の悲痛の叫び「いいなあ宇津木。あたしと別れられて、いいなあ」は、全裸でフェンスに寄りかかりながりじゃないと宇津木には伝わらないだろうな。未来のJR駅員のモノマネや「ラーラリヒー」、笑いや小物が非常に活き活きしている小説でした。 読了日:09月15日 著者:本谷 有希子 さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア) ユーゴスラヴィアから来たマーヤが日本独自の「謎」を日常から見つけ出して守屋に尋ねる。守屋が太刀洗に視線を送ってもすげない答えか足りないヒントだけしか得られない。そういう細かいミステリのほのぼの小説かと思って読みながら後半に突入すると、足元をすくわれます。推理する理由の薄さと、守屋、太刀洗の言い回しに目をつぶれば、面白く読めたかもしれないけど、守屋の性格があまりにも合わないので再読はしないと思う。 読了日:09月14日 著者:米澤 穂信 じつは、わたくしこういうものです 架空の職業ばかりがその職人の写真と共に紹介されている。「月光密売人」「秒針音楽師」「チョッキ食堂」「ひらめきランプ交換人」などなど、よくもまぁ出るわ出るわ、ステキな職業の数々!特に良かったのは冬眠図書館のシチュー係。図書館で冬眠したいという人のために、コッペパンやシチュー、ブランケットの提供をしてくれるという図書館。ああもう、いいなぁ! 読了日:09月12日 著者:クラフト・エヴィング商會 ないもの、あります 巧みなセールストークが巧みすぎてクスリと笑える。このお店では「語り草」や「一本槍」「無鉄砲」や「冥途の土産」「口車」等、耳にはするけど見たことをないものを紹介して、少しの注意と、気づきをくれる。こんな優しい口車にだったら乗ってもいいです。最後が「大風呂敷」であるのがまた巧い! 読了日:09月11日 著者:クラフト・エヴィング商會 つむじ風食堂の夜 たばこに火をつけていると気づかずに通り過ぎてしまいそうな商店街。七○一号室の屋根裏。つむじ風が向かいの小さい十字路にいつでも吹いている名無しの食堂、つむじ風食堂。唐辛子千夜一夜奇憚。小物のディティールは細かくて暖かい。(猫、エスプレッソマシーン、食堂のメニュー)そこに集う人も、少し妙で、味がある。濃くはないけど忘れられない味のような人物たちと町。街というより町だ。映画化。 読了日:09月09日 著者:吉田 篤弘 78(ナナハチ) 懐かしいものをいとおしく思える、そんな作品。「懐かしいもの」とは言うけれど、実際に見たこともない。小品や人物がそれぞれの短篇にちょっとずつ顔を出し、どこかで繋がっている。レコードを聴くことは、その時代の空気を聴くことだ。この作品の登場人物もその言葉のように、震わせ、伝っていく。相変わらずネーミングセンスがいい。猫の「木曜日」や靴屋の「ツェツェ」「夜の箱」「CはクローディアのC」と洒落ている。 読了日:09月08日 著者:吉田 篤弘 死の島〈上巻〉 (1971年) 人の奨めで気になって、ヤフーオークションで購入。素子、綾子、鼎の3人と、ひも男。主要登場人物が4人と少ない。シベリウスの曲の解釈を相馬鼎がして、まさにこの小説の構造と同じ。下巻はどうなる。 読了日:09月07日 著者:福永 武彦 それからはスープのことばかり考えて暮らした 時代背景や登場人物の外見、風景や時系列などがほとんどざっくりと省略されていて、なのに全てがいとおしく思える不思議。サンドイッチ、スープ、路面電車、月舟シネマ、幸来軒、教会。でてくる名詞がどれも哀愁漂うのに「携帯」がある違和感。なくなればいいのに携帯、と思わずにはいられないけど、これは作品に対する文句ではありません。清貧というよりも優雅。そういう雰囲気を文体や絵、台詞や名詞から感じました。 読了日:09月01日 著者:吉田 篤弘 読書メーター とまぁ先月は13冊。 クラフト・エヴィング商會と吉田篤弘ばっかり。どいつもこいつもスラスラ読める本ばかりで今回はペースが速かったかと思う。 そして2月から読書メーターをつけているけれども、9月までで81冊を読んだらしい。おぉ、このままいけば年間100冊というキリがいい数字が狙えそうじゃないの。 先月読んだ「死の島」の著者、福永武彦は池澤夏樹の父にあたる方で、文体が二人ともそっくりでびっくりする。重厚な物語を読んでいるはずなのに、気分が鬱々としない。清潔感があって、知性が滲んでいて、だけどペダンティックではない。形而上学的な表現が頻出するにもかかわらず、空中分解していない。うぅーん、なんという文体の妙味。 ちなみに池澤夏樹の娘さんが声優の池澤春菜で、wikipediaで調べてみたらなんとアニメ「マリア様がみてる」の「由乃」役だったとは!ふおおおお…三代に渡ってこの家系にお世話になっていたなんて…。 そしてまた本谷有希子をwikipediaで調べていたらアニメ版「彼氏彼女の事情」で声優を務めていたことを知った。アニメは見てないからなんともいえないけど、原作のファンであるのでびっくりした。 しかも本谷有希子そのものと思わせる「沢田亜弥」を演じていたとは!マルチに活躍しすぎでしょう、本谷さん。 ちなみに今は城山三郎の「落日燃ゆ」を読んでいる。日本人なら読むべき、と言われては読まないわけにはいかん。史実はあんまり好きな分野ではないのだけれど、面白く読めているので問題ない。 先月読んだ本で一番は、うぅーん…迷う…すみません、3つ。「死の島」「生きてるだけで、愛」「ないもの、あります」で! 読書メーター8月まとめ
2009.09.07 Monday
いつの間にか1ヶ月も更新をしていなかったらしい。気にかけてくださった方達には申し訳ないことを致しました。(左脳さん、コメントの返信遅れに遅れてすみませんでした…)
夏は暑いから嫌いです。暑いのが苦手です。でも、ちょっとした緑のある小路などを散歩していると、葉の匂いの豊潤さと濃厚さが際立っていて、そこに風など吹いてくれるととてもいい気持になります。昨日は芝生のあるところにまで散歩をしていたのですが、他の緑の匂いの中にあっても芝生の匂いはふしぎにそれとわかります。柑橘類に似たツンとするようなところがある。 まぁそれはさておき読書メーターまとめ、8月分です。 8月の読書メーター 読んだ本の数:9冊 読んだページ数:2659ページ という、はなし こんなに素晴らしい本を知らないでいたなんて、と一瞬悔やまれたけれども、この本にめぐり会えたことが今は非常に嬉しい。フジモトマサル氏の絵に挿文として吉田篤弘氏が2ページ半の物語を入れる。作家の想像力ってすごい。また、どれも読書にまつわるかわいい話ばかりでとても充実した時間が過ごせた。「話の行き先」と「灯台にて」と「何ひとつ変わらない空」がとくに良かった。どれもこれもいいんだけど! 読了日:08月28日 著者:吉田 篤弘,フジモト マサル 真昼のプリニウス (中公文庫) 読了日:08月25日 著者:池澤 夏樹 ルドルフ・カイヨワの憂鬱 (仮) 優生主義者の思惑、国家の深謀、NASAの長期計画。体外子宮での人工授精はそれぞれの思惑によって推し進められる。物語の重厚さに大満足。この作者はもっと評価されてもいいはずだと思う。 読了日:08月19日 著者:北國 浩二 リバース この量でこれだけの伏線の多さと綺麗な回収、希望のあるラストを目指してしまったためか、登場人物の存在感が薄いと感じてしまった。なんで皆が済世園に集まってるんだっていう笑 「ルドルフ・カイヨワの憂鬱」で見せてくれた厚い内容、「夏の魔法」で見せてくれた胸が苦しくなるような感情、こういう作品を時間がかかってもいいから僕は期待して待ってます。頑張ってください、北國さん! 読了日:08月14日 著者:北國 浩二 嵐が丘 (新潮文庫) 狭い世界で繰り広げられる愛憎劇。「憎」があまりに多すぎて途中で読むのをやめてしまおうかとも思ったけど、おだやかな着地点にほっとした。他人を羨むという気持ちは本来だれでも持っているとは思うけれども、この作品の登場人物はどうも不幸を相対化して「あいつは自分より不幸でなければいけない」という思い込みが激しい。互いが互いの足を引っ張り合って皆がどんどん疲弊していく。キャサリン・アーンショーの傍若無人ぶりはイラつかされました。ジョウゼフのセリフにいちいち笑った。 読了日:08月13日 著者:エミリー・ブロンテ,鴻巣 友季子 短歌はじめました。 百万人の短歌入門 (角川文庫ソフィア) この本でようやく入門できました。アマチュアの方達の短歌を選評して、どこがダメなのか、どこがいいのかを3人で語るという形式で進みます。ねむねむさんってすごい!さぁ短歌をつくってみよう、という気になりました。 読了日:08月10日 著者:穂村 弘,東 直子,沢田 康彦 たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの) ダグラス・スポールディングスとトム兄弟の夏の思い出といった短篇なのだけれども、死が付きまとうのに不思議とカラッとした作品。ある日自分も死ぬんだ、と知るダグラス。アーケードにある蝋人形のタロットマシーンを盗み出して、その蝋人形には閉じ込められた魔女が中にいる、助けを求めてる、その魔女を助けて自身にふりかかるあらゆる災難を予知してもらって永遠に生き続けたい!と強く願う章がとてもいい。フリーリー大佐、ヘレン・ルーミス夫人、屑屋のジョウナスといった脇役の老齢者がこんなにも輝いてるのは、正しい時代のありようだと思う 読了日:08月07日 著者:レイ ブラッドベリ 若者はなぜ「決められない」か (ちくま新書) なぜ決められないか、の要諦はあんまり大きく扱っていないけれども、なるほどと肯うところが多かった。若者自身の可能性の幅が大きいために就職という英断の二の足を踏ませ、嗜好による視野狭窄と、最大公約数しか見ない社会の視野狭窄がステレオタイプな職業観を植えつける。そんな障害が多い中で何をよりどころとして自身の立脚点を定めるか。結局のところ今の自分を真剣に見つめる、というところから出発するしかないのだ。甘い夢に血道をあげているフリーター達は読むべきだ。 読了日:08月04日 著者:長山 靖生 にょにょっ記 説得力なく、想像力なく、妄想力で書き連ねた日記。太極拳をしながらちんじゃおろーすーの発音をおもいっきり中国人っぽくして「ちん・じゃうお・らお・すうう」 もう、あたりいちめんすっかり中国だ。と、そう言う。これで中国っぽいっていうそのチープさが可愛い。ステレオタイプな妄想のドライブが笑わせてくれる。買って損はないけど買わなきゃ損とは言えない。しかし穂村ファンなら必携の書。ファンじゃなくても入門にどうぞ。 読了日:08月04日 著者:穂村 弘 読書メーター 8月は以上の9冊でした。他にも枡野浩一さんの「石川くん」と、長嶋有さんの「いろんな気持ちがほんとうの気持ち」も読んだのですが、登録し忘れていました。実際は11冊ですね。ちなみに真昼のプリニウスは再読なので感想は割愛です。(なんで画像がないんだろう…) 上の感想にも書きましたが、短歌の良さがようやくつかめてきました。それというのも自分で詠む、という新しいことに挑戦したおかげですね。人様に見せられるものじゃないので見せません。見ても面白いものじゃないです。現在進行形で勉強中といったところです。 今は吉田篤弘さんの著作を片っ端から図書館から借りては読み漁ってます。「という、はなし」が良すぎました。穂村弘さん以来の衝撃か。ということで8月の1番はなんていったって吉田篤弘の「という、はなし」です。見つけたらもう立ち読みなどせずささっとレジへ持っていってください。普段あまり本を読まない人でもおすすめできます。 個人的な話。 ぼくの8月の1番大きな出来事は、このブログの他にもう一つブログを書くことになったこと。それは今3人で書いていて、まだここでは紹介できませんが、なかなか面白い。持ち回りでお題を出して、それに3人がそれぞれの方法で応えて書くというもの。もう少しまとまったり、公開できる形にまで成長したら紹介できるかもしれません。 もっと他にいろいろとあったことを書きたいのですが、ここでだらだらと書くのはあまり美しくないのでまた他の記事で書きます。それでは。 読書メーター7月まとめ。
2009.08.01 Saturday
来てほしくなくても来る夏の盛りの8月。暑いのイヤイヤ。食欲減退で睡眠不足気味です。
このまえ車を運転していてバイパスとの合流地帯の隅にバスが停まっていて、よくみたら小学生くらいの男の子が立ち小便をしていた。感動した。他の乗客の迷惑や自身の恥じらいを顧みずに「余は小便がしたいのじゃ。バスを停めい」と言ったであろう少年の勇気を慮ると、溢れる涙が堰を切ったように頬を伝い落ちた(はずもない)。 というわけで7月の読書メーターまとめです。うーん、結構読んだなぁと思ったけれども10冊か。先月は左脳さんに負けを喫するという屈辱を味わい、一人で雪辱戦を繰り広げて頑張ってみた。(完全なる一人相撲)まぁそれでもずいぶんと内容の濃いラインナップ。7月はいい本ばかりに出会えた。 7月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3327ページ 1Q84 BOOK 2 象徴的なフレーズが多すぎて、どれを手がかりにして読んでいけばいいか困る。何か大事なことを中心に渦を巻いている感じはする。それは月の意味だろうか、リトル・ピープルだろうか、空気さなぎだろうか、猫の街か、リーダーの話か。「説明しなくてはそれがわからないというのはどれだけ説明してもわからないということだ」という台詞は読者の努力を水泡に帰す力があった。やれやれ。タマルの少年時代の話が好きだ。 読了日:07月30日 著者:村上 春樹 1Q84 BOOK 1 読了日:07月28日 著者:村上 春樹 幸福な食卓 (講談社文庫) 題名からも装丁からも想像していたのは「一風変わった家族の丁寧な生活」だった。それは少しだけ当たって、大きく外れた。父さんの父さん辞める宣言、兄の晴耕雨読生活、母の別居。ここまでは想像の範囲内。しかし、のほほんとした発言から読み取れない父の自殺未遂がきっかけで家族が変わったという事情を知っていきなりキャラクターだった登場人物が人間味を帯びて見えてくる。大浦くんが登場し、佐和子と不自然にラブラブで腑に落ちないなぁ、と思いつつ、いざ大浦くんが死んでしまうと胸が痛んだ。なんでだよう。 読了日:07月25日 著者:瀬尾 まいこ シングル・セル (講談社文芸文庫) 読了日:07月23日 著者:増田 みず子 ガール・ミーツ・ガール たぶんガクも加入するなー、とか、ゴンタも入るだろうなー、とか、ジンも後からきてくれるでしょう、って思いながら読んでいて、その思惑通りきっちり進むのだけどそれが嫌じゃない。ご都合主義がむしろ清々しい。夏美の視点で書かれる風景や月旦評がいかにも19歳の元気いっぱい女の子の語りで唸る。夏見父のいた寂れた昭和荘を「濡れたマッチ箱」とか、ルイの家の描写はほんとにこの歳の女の子の目線だなって思う。それと相変わらず名言は脇役がかっさらいます。今回はガク氏でした。 読了日:07月21日 著者:誉田哲也 大人になれないまま成熟するために―前略。「ぼく」としか言えないオジさんたちへ (新書y) 50年代からのアメリカカルチャーを概観してそれらを日本の60年代、70年代と絡めつつ、なぜ大人が完全に成熟できないのか、を論じている。「オジさんたちへ」と表紙に書いてあるのに見落として、だけど最後まで読んだのだけれども、共有している文化資産が多い世代だからか映画の説明、文学の説明があんまり丁寧でないので25歳の若造には理解が難しい。「両義性」という言葉につまづいてしまって納得しながら読むことができなかった。 読了日:07月19日 著者:金原 瑞人 武士道シックスティーン 勝負に勝つことだけを恃みにして武士道まっしぐらの香織と、自分の成長を実感しつつも楽しみながら剣道に励む早苗。勝った負けたが全てじゃないけれど、楽しむだけが全てでもない。まさに彼女たちの関係は好敵手。相克のライバルではなく、切磋琢磨し合える好敵手。それでも壁にぶつかったとき、互いの父親が少しだけヒントを与えてくれる。 読了日:07月12日 著者:誉田 哲也 社会学の名著30 (ちくま新書) 頭をフル回転しつつ、引き出しを総動員しつつなんとか読みきりました。社会学初心者なのでなかなか歯ごたえのある入門書ですが、具体例を出してくれて、生活の中に社会学の萌芽を見つけてくれるので助かる。オルテガの大衆は、「非属の才能」を読んだばかりなのでとくにおもしろく読めた。時系列順になっているので後半に進むに連れて共感できることも多くなっていった。もう少し時間をかけて噛み砕いていきたい。 読了日:07月12日 著者:竹内 洋 非属の才能 (光文社新書) 異端礼賛、というのが率直な感想。学校嫌いで引きこもる、というのは確かに非属の才能のサインかもしれない。だけど、今どき引きこもった子供がいったいどれほど孤独でいられるだろうか。現実でうまくいかなくてもネットが待ち受けているし、その孤独を解消しますよ、ということまでビジネスでありうる。実際「出会い系」やら「オンラインゲーム」「SNS」はネットビジネスでもホットなコンテンツだ。説得力あふれる力説に感化されてもおかしくないが、これもまた作者がけなした(一般的ではないにしろ)経験論からということは頭に入れておこう 読了日:07月09日 著者:山田 玲司 国境の南、太陽の西 (講談社文庫) 『国境の南にはたぶんは存在するかもしれない。でも太陽の西にはたぶんは存在しないのだ。』島本さんが太陽の西、という単語を出した直後、ヒステリア・シベリアナについて触れる。ある日自分の中の何かが死んでしまった農夫が太陽の西を目指して進むように、島本さんもある日突然主人公の前から姿を消す。国境の南が単なるメキシコで、そこに「たぶん」が存在するなら、太陽の西(「たぶん」の存在しない)には死しかないのだろうか。生きているのは砂漠だけ、というのもまたここに繋がるのか。「そしてたぶんというのは重さの計れない言葉だ」 読了日:07月07日 著者:村上 春樹 読書メーター ああ、なんと濃い。先月までの本がDonDokoDonのぐっさんじゃない方だとしたら、今月読んだ本は安岡力也だ。それぐらい濃い。伝わりましたでしょうか。 この中から1番を決めるのは難しすぎる。ざっと見積もっても「非属の才能」「シングル・セル」「幸福な食卓」「1Q84」の4冊がすばらしい。シングル・セルなんて感想書こうにもスペースが足らずに別個にこのブログ内で紹介する予定だし、非属の才能はだいぶツッコミ入れてますけど、それだけに読みやすく、十分に伝わり感化されたためだし(こちらも別個で紹介するつもり)、幸福な食卓はある一文に思わず見入るという久しくなかった体験があったし、1Q84はもう田島が言う必要もないだろうから触れません。 ああ、それにしてもなんと濃い。先月までの本が低脂肪乳なら今月読んだ本はフレッシュチーズだ。それぐらい濃い。伝わってますでしょうか。ああ、ならいいんですけど。 もう勘弁してください。7月はしょうがないのです。一番良かった本は4つということです。そういう月だってありますよ。 8月のセレナーデ/スガシカオ bandapartのAugust Greenと迷ったけど気分はこっちか。8月です。 読書メーター6月まとめ。
2009.07.07 Tuesday
部屋を整理していたら昔のMDが大量に出てきた。最近ちょっと昔の音楽を聞くことが多い。その時期その時期の自分内ベストのようなMDも何個か出てきて聞いてたりするのだけれども、とてつもなく恥ずかしい選曲の数々でのたうちまわりたい気分。俯瞰の視点で、冷静になればこんなに恥ずかしいのだけれども、その時その瞬間は確かに自分のベストだった。今もまた、パソコン内には自分の選曲で組んだベストの音楽があるのだけれど、これも後から聞いたら恥ずかしく感じるときがくるのだと思う。後になって恥ずかしい、ここはそうじゃないだろ、と思うのは、俯瞰の視座を得ているからだと思う。 けれども俯瞰の視点というのはどこまでいってもさらに高い俯瞰の視点がありうる。つねに一つ前を凌駕するが一つ後に凌駕される可能性を孕んでいる。そう考えると、この俯瞰の視点を支える底辺(昔のMD)は自分のオリジンとして大切にとっておいてもいいのだと思うようになった。のたうちまわりたい気分をおさえてしばし懐古趣味。
6月の読書メーター 読んだ本の数:7冊 読んだページ数:2227ページ 疾風ガール (光文社文庫) 誉田哲也は脇役がいい。塔子さんのホステスとしての自虐的悩みや、夏見が前にいたバンドのマキの言葉。「周りの人間が、自分と同じくらい輝いて見えちゃうのかもね。有頂天だからね、夏見は…でもね、周りが輝いて見えるのは、それはあんたが照らしてるからであって、その人の背中は、実は真っ暗になってるってこと、あるんだよ。そのどす黒い闇が、あんたからは死角になってて見えないんだよ」。夏見の行動の裏で傷ついていたマキが夏見を救ってくれる。なんておいしいところを持っていく脇役なんだ!ガール・ミーツ・ガールの脇役に期待。笑 読了日:06月25日 著者:誉田 哲也 スプートニクの恋人 (講談社文庫) 記号がイコールであるならば、「こちら側」(現実)の存在は記号的で、「あちら側」(夢の世界)というのは極めて象徴的なのだろうか。あちら側からの言葉はないけれど、こちら側に残された人々の弧絶が色濃く書かれている。村上春樹の文体に出会いたくなったらたまに読み返したい。 読了日:06月21日 著者:村上 春樹 金メダルへの道 オリンピック直前に曲目を変える、コーチを変える、といった一見遠回りにも思えるこの選択が、彼女らしさのスケートを作っていったんだと思うとテレビで何気なく見ていたスケートという種目の層の厚さとオリンピックという大舞台に立つ緊張感、葛藤がまざまざと伝わってくる。美しい演技も難易度も決して妥協しなかった故の金メダルだったのか。 読了日:06月16日 著者:荒川 静香,NHK取材班 鹿鳴館 (新潮文庫) 青い花の演劇の題材なのでちょっと予習。初めての戯曲だったのだけれどもこれほどに読みやすいとは思わなかった。短い話なのにそれぞれの思惑がぎっしり詰まっているし名言も多い。読みやすいのに深い。だから名作なのか。影山と飛猿の鬼畜っぷり!久雄の頭の固さ!こんな馬鹿な男たちの手に権力があるというだけで振り回されてる女性もたまったものじゃなかろう。この作品の中での登場人物は大切なものを失っていくのだけれど、一人勝ちを決めた人がたった一人。草乃である!笑 読了日:06月12日 著者:三島 由紀夫 風の中のマリア 「あわせてひとつの生き物」という台詞の通り、ワーカー、女王蜂2つを含めて一つの単体なのかもしれない。もちろん蜂の物語だけれども、これはメタフォリカルされた人間の女性の生き様とも読み取れる。ワーカーは仕事しか知らず、女王蜂は産むことしか知らない。互いの悩みは尽きることも解決されることもないのだけれど、互いが互いを補いあって生きていく。命は常に新しい命への生け贄なのだ、という田口ランディーの言葉を思い出した。自分の使命とは何なのか、蜂から教わることもあるのだ。筆者の着眼点に◎ 読了日:06月12日 著者:百田 尚樹 DIVE!!〈下〉 (角川文庫) (角川文庫) タイプの違う3人の天才がしのぎを削って飛び込みのオリンピックを目指す青春小説。3人それぞれの個性が全面に出ていて手に汗を握りながらも一気に読みきった。最後はベタな終わり方だったけれども読後感がこれ以上無い爽やかさ。夏になったらまた読みたい作品。 読了日:06月09日 著者:森 絵都 DIVE!!〈上〉 (角川文庫) (角川文庫) 読了日:06月01日 著者:森 絵都 読書メーター 6月は正直あんまり読書をしていなかった。バルガス=リョサの「楽園への道」なんて図書館で借り直しに借り直しを重ねて1ヶ月近く手元においている状態だ。漫画も精力的に読んでいた。手塚治虫のMWと、アドルフに告ぐ。どちらもなかなか重厚でおもしろい。 こんな6冊の中から一番を決めるのは苦しいのだけれども、6月ベストは鹿鳴館です。 これもまた、あとから恥ずかしいと思うときがくるのでしょうか。はたして。 読書メーター5月まとめ。
2009.06.01 Monday
はいきた、6月。嫌だよ、歳とっちゃうよ。25歳だよ、信じられないって。
昨日は諸用がございまして高崎線ののぼり電車に揺られて欲望の街TOKYOを目指していたところ人身事故があったらしく15分ほど電車が停まって「復旧までいましばらくお待ちください」と3回ほどアナウンスしていた。なんでも桶川あたりで人身事故があったと言う。おいおい、ほんとかよ、っていつもながら思う。車の渋滞だったら通り過ぎるときに事故を目にすることができるから「おぉ、これが原因だったのか」って納得できるけど、電車の場合は目撃することができない分「なんぞミスでもやらかしたんかいJRさんよぉ」って矛先をあらぬほうへと向けてしまう狭量な人間なんですはい。 電車が停まってから10分くらい後だったか、救急と警察車両がサイレンを鳴らして僕の乗った電車の目の前を通り過ぎたときには妙に溜飲が下がる思いがした。JRへの不信感は少しうすれて「信じてやらないわけでもないかもしれない」くらいにランクが上がった。電車がいざ動き出して例の人身事故があったという桶川に停車したとき、向かい側のホームで警察官数人が線路を見下ろすかたちで立ち、白衣を着た救急関係者が線路に下りているのを目撃したときには唖然とした。ホームにあるのは担架ではなくオレンジ色したプラスチックの、子供たちが雪山で乗るそりのような代物だった。納得しないわけにいかない状況だった。 ということで(素晴らしい接続詞)読書メーター5月まとめ。先月はこんな感じでした。 5月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2526ページ 村上春樹全作品 1990〜2000 第3巻 短編集II こういう引き出しもあるのだから村上春樹はすごい。「七番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」「蜂蜜パイ」が特に良かった。「七番目の男」の波の忍び足は強烈に怖く、「めくらやなぎと、眠る女」の病院の窓の外から見た風景の美しさは特筆もの。全体的に甘い比喩がおさえられているいるのだが「かえるくん、東京を救う」だけ毛色が違う雰囲気。 読了日:05月26日 著者:村上 春樹 オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集1) 展開の速さはディーンの運転する車のように振り落とされそう。本書の前半ディーンは仲間内では英雄だった。遊びの天才だった。仕切り屋だった。しかし、大陸横断も2度目となると家庭に入った友人たちを訪ねては泊まり歩いているうちに、ディーンはそんな仲間達から罵詈雑言を浴びせられたりそしられたりと裸の王様となっていく。ニューヨークで悩みを打ち明けたディーンは沈んでいるようだったけれども、最後の最後までやっぱりディーンはディーンだった。最後にディーンは取り残されてしまうけれど、それがディーンの青春であり「道」だ 読了日:05月24日 著者:ジャック・ケルアック ザ・万歩計 木曜五限 地理公民に思わず笑いました。オマーン湾をオマーン・・・湖とたっぷり数秒あけて誤読した彼よりも、先生がよかったなぁ。性悪説を信奉していて、その悪の権化たる子供の扱いが手馴れていて。ただ、万城目さんはエッセイ向きではないかなぁ。話が繋がった、という快感があんまりない。 読了日:05月12日 著者:万城目 学 ディスカスの飼い方 ディスカス飼育に哲学を持ち、自身の理論で体系づけたいと思う主人公。わからないことを語るときにわからない言葉を使うというのを避け、徹底して理論的であろうとするのだけれど、ブラインシュリンプの孵化が思うようにいかず、スピカールに手をつける。本書の大部分を使って主人公のディスカスへの情熱、哲学、傾斜の道程が語られ、その苦悩を熱帯魚に知識のない読者にまで真に迫った苦悩に感じさせる。文体の透明感をそのままに、未知の世界を知りたいのなら、本書はまさにおすすめ。だけど、比喩の多用と恋愛は、相変わらずクサイ。 読了日:05月12日 著者:大崎 善生 鹿男あをによし 破天荒な設定でも無理を感じさせないのが万城目さん。鹿が喋っても顔が鹿化してもOKだ。暦や古墳や考古学等の来歴、逸話の数々が現代にも脈々と続いている、というのはファンタジーよりも胸が躍るし説得力がいくらか増す。本筋とは関係のない剣道の試合に燃えた。鹿に会ったらポッキーをあげよう。 読了日:05月08日 著者:万城目 学 ケンコバ伝説~星になった言葉たち~ 友だちに「はい」と手渡されて読んでみた。神様のごとく扱えばシモネタだってありがたい金言。しかしまぁ、ほんと乳首とアナルを攻められるのが好きなんだな。とんかつの甘さを表現した一言。「親の教育だったら子供がグレるぐらい甘いです」には脱帽した。そんな見方があるのか! 読了日:05月07日 著者:ケンドーコバヤシ 押入れのちよ (新潮文庫) 読後感がそれぞれ違っていてとても楽しめる1冊。文体はくせがなくてスラスラ読め、ところどころにユーモアがあっておもしろい。殺意のレシピのなごやかを装った殺し合い、介護の鬼の毒のある狂言回し等は不謹慎だけれども可笑しくて笑える。冷蔵庫を開けると翌日の朝食が1人分見当たらなくて、今日俺を殺すつもりなんだ、と確信する旦那さん。わかりきっている二人同士の戦いだけに、腹の探りあいが笑えるほど深くなる。 読了日:05月06日 著者:荻原 浩 春を嫌いになった理由(わけ) 綺麗な題名にこの内容はちょっぴり想像が及びませんでした。瑞希と林と島本の狂言回しで、最後に話がつながっていく。瑞希の名倉に対するスタンスは、仲良ければこそなのか、本気の文句なのか取り違いかねない感じがあって、もう少し瑞希と名倉との過去に触れるような挿話があればよかったかなぁと思った。おそらく最後は笑いを意識して爽やかな締めを狙ったのだろうけれども、そこがちょっと伝わりにくくなるのが残念。 読了日:05月02日 著者:誉田 哲也 読書メーター 久しぶりに歯ごたえのある世界文学全集に挑戦してたもので8冊ですか。先月よりマイナス3です。たまには分からない、理解の及ばない難しい本を読むのもいいもんだなぁと思う。大学時代を思い出す。面白い本より難しい本を好んで読んでいて、たぶんしっかりと大学生だったんだと思う。学生時代の読書なんて難しい本を知ったかぶりで読むことが本懐なんだから。今読んでも難しい件については棚上げにします。まさかオン・ザ・ロード1冊を読了するまで2週間かかるとはね。ふぅやれやれ。 田沼くんの送り込んだ刺客、ケンコバの本は…まぁあんな感じのが延々続きます。 先月の一番面白かった本は、ずば抜けて「押入れのちよ」ですね。他の方のレヴューを見てもらえればわかりやすいのですが、どの作品も粒ぞろいといっては失礼にあたるほど良作がつまっていて、1つ1つの短篇それぞれにファンがいるのがわかります。軽いエンターティメントで早めにトリップしたい方にはいいクスリ。しかも合法、しかも安上がり。表題作の「押入れのちよ」だけでも読んでほしいものです。今はバルガス・リョサの「楽園への道」と森絵都の「DIVE!」と三島由紀夫の「鹿鳴館」を読書中。世界文学で学生気分を満喫したい今月25になるたじまでした。ふぅやれやれ。 Wonder2/perfume たまに無性に聞きたいんです。 読書メーター4月まとめ。
2009.05.15 Friday
以前からブログの左端に読書メーターなるものを設置していて、読んだら登録して感想を書くようにしている。いいことをしているわけではないはずなのに棒グラフになって右肩あがりのグラフを見ては悦に入っていたりする。くくくくく。
とりあえず活字本だけで登録しているので漫画は含んでいない。左脳さんが「まとめ機能」を発見してくださって、おおこりゃあいいや、と思ったので僕もここは一つ、4月の読んだ本をまとめてみよう。 4月の読書メーター読んだ本の数:11冊読んだページ数:2940ページ整形前夜文藝に引き続き「シンパシーとワンダー」の話をされていたのだけれども、どうもまだ消化不良。というよりこれを読んで尚のこと悩むことになってしまった。最後にまとまっているショートショートのアヴァンポップな短編は、筒井康隆や高橋源一郎さんにも劣らないすばらしい出来だと、勝手ながら評価させてもらってます。おもしろ!読了日:04月24日 著者:穂村 弘 武士道セブンティーンシックスティーンの方は読んでいないのにセブンティーンから入りました。これは、おもしろい!武道とスポーツの違いに明確な言葉で対抗できない早苗の苦悩に、いかにも武士道らしい「教え」が入ってる。東松に戻ってくるなら黒岩を倒してからにしろ、という香織。香織は病室で父から武士道を学び、それを早苗へ伝え、自身も暴漢と対決する、という最高の山。田原や緑子の脇役もすばらしい!読了日:04月23日 著者:誉田 哲也 煙か土か食い物 (講談社ノベルス)なんていう酷い家族だ、と思うけれども不思議とカラッとしている。こういう家族を真面目な文体で書いていくと、もっとじっとりした作品になるのだろうけれども、独自の文体を持っている舞城王太郎の強みか、ドライな目線でアメコミを見ているよう。文句を言わせてもらえば山場をもっと明確にしてほしい。読了日:04月20日 著者:舞城 王太郎 土の中の子供「僕は、土の中から生まれたんですよ」 暴力の渦中に身を埋め、その先を夢想する主人公は、親に棄てられた過去を持つ。奇異に見える主人公の行動が「克服」のためのものならば、先の主人公の台詞はまさに親を克服した証拠だろうと思う。施設の優等生トクは、二十歳過ぎに自殺したのだけれども、反目という形の克服を試みた結果の自殺だったのかもしれない。凄惨な過去があるのに対して場面があまりにも切り替わらなさすぎるという新しい表現。読了日:04月17日 著者:中村 文則 男坂 (文春文庫)初めての志水辰夫。男は背中で語る、というセリフを思い出しました。すべての短編に「わけあり」の過去を持つ男性がいるのですが、その過去には不親切なくらいに触れません。読者はその過去を男の今の立場から、顔の皺の描写や、態度などでしか推して知るしかできません。それは作品を読者の想像力に委ねる文芸にふさわしい作品だと思いました。非常に巧い!だけど生活苦の頻出で気持ちいい、とは言えないかな読了日:04月16日 著者:志水 辰夫 アップルの人 (新潮文庫)悪ふざけの達人。板前論法には笑わせてもらいました。"貧乏くさい"に関して語っているところは素直になるほどなぁ、と思いました。ただこの本を一日で一気に読もうとすると、くどい、また脱線か、もう笑えないから話すすめろ、なんて気持ちになるであろうことは簡単に想像できる。この本と気持ちよく付き合うには1月かけてちょこちょこ読むくらいが丁度いいのでは?読了日:04月14日 著者:宮沢 章夫 アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)印象的なセリフを伏線に使ったりリフレインしたり感嘆したり、いかにも映画を見ているようで映像が浮かぶ。ただ、ちょっと使いどころが多すぎて「あ、次はこのセリフ、使いまわすんじゃないの?」なんて悪い読者になっちゃいました。悪い読者を作らないほど、内容でひきつけてくれたら嬉しいのですが。うーん、正直言って肌が合いませんでした。伊坂ファンの方には申し訳ない。読了日:04月13日 著者:伊坂 幸太郎 文藝 2009年 05月号 [雑誌]マスター、のだちゃん最近どう?5回くらいみかけて笑いました。エッセイストとしてのかっこわるいけど憎めないキャラはなりをひそめ、歌人としてのかっこいい穂村弘がかいまみれました。谷川さんとの対談で、「ワンダーとシンパシー」の章は必読。中村文則の中篇、高橋源一郎の短編もよかった。読了日:04月11日 著者: 人生問題集「新・白樺派」対談に穂村弘×春日武彦。パロディーと思って手にとってください。愛、孤独、友情、家族・・・などのテーマで、ふたりが語りあうのですが、そのテーマに対しての2人の具体的エピソードが面白いです。なかでも春日さんが小学生の時、冷やし中華をお弁当に渡され、恥ずかしくて机の中にしまっていた、というエピソードには笑わせてもらいました。2人とも基本的に行動が幼稚なのですが、言動はしっかりした大人です。さぞ生きづらかろうに、と他人事ながら胸を痛めます。読了日:04月07日 著者:春日 武彦,穂村 弘 夫婦茶碗 (新潮文庫)金が無い→茶碗ウォッシャーに→職質→ペンキ塗りに→嫌気がさして辞める→童話作家に→嫌気がさす。典型的な駄目男。だけど、どれもこれも奥さんと幸せに暮らそうという一つの目的があってこそ。そこを敢えてアナウンスしながら書いていないのがすごくいい。家に帰って、いいお茶、いい茶碗を使って、必死に茶柱を二つの碗に立てようとする不器用ぐあいがかわいらしい。読了日:04月07日 著者:町田 康 さまよう刃時系列がストレートでさくさく読めました。長峰、警察、法律、のどこに正義があるのか。どこにもない、ということを思い知らしてくれました。被害者感情を蔑ろにしている、ということで時効制度の撤廃運動が今はさかんですが、いずれは少年法、という部分にもスポットライトの当たる日がくるのではないでしょうか。社会のなかで平常どおり生活している人にとって、被害者がわの立場、というのを想像力をもって考えるのは難しいでしょう。そんなとき長峰の言葉に耳を傾けてみてほしいです。読了日:04月02日 著者:東野 圭吾 読書メーター 4月は11冊らしい。いままでこうやって記録をつけたことがないから果たして11冊が自分にとって早いペースなのか遅いペースなのかはわからないけれど、まぁこんな感じで月ごとにまとめていけばペースもつかめていけるかと。敬体と常体が入り混じっていて読みにくいとも思うけれど、ノリで感想を書いているので気にしない気にしない。 とりあえず、これからは本の話題は「読書メーターまとめ」記事だけにして日記中心のブログにしていこうかと思う。どぉーしてもオススメしたい!という本だけブログで紹介する。 ちなみに今、血中池澤夏樹濃度が低下しているのでジャックケルアックのオン・ザ・ロードを読んでる。この厚い本のおかげで5月の読了ペースは遅くなる予定。とりあえず4月中に読んだ本の中で1番面白いのは・・・武士道セブンティーンかな。
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